公務員試験の面接に受かる人と落ちる人の特徴を解説!不合格を避ける方法とは?

公務員試験の合否は、面接で決まるとよく言われています。

実際の得点配分も面接に比重が置かれていることが多いため、面接対策をしっかり行っておくことはとても重要です。

しかし、面接が重要と分かってしっかり対策していても落ちてしまう人も当然ながら存在します。

地方公務員の場合は特にその傾向が強く出ますので、面接に受かる人と落ちる人にはどんな差があるのかを理解し、合格するための対策をしっかりと取っていく必要があります。

そこで今回は、面接試験に合格する人と落ちる人、それぞれの特徴について紹介していきます。

公務員試験の面接に受かる人

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公務員試験に合格する人の多くは、以下のような共通点を持っています。

コミュニケーション能力が高い

仕事においてのコミュニケーション能力というのは、いわゆる話上手な人を指しているわけではなく、円滑に対応できる人を意味しています。

例えば、公務員が対応する住民の中にはクレーマーのような話の通じない人がいるので、そうした難しい対応が迫られる場面において、速やかに対応する力は公務員には欠かせない資質です。

また、公務員は国民や住民など様々な人々と接することになるため、誰に対しても同じように対応できる力も大切です。

さらに、公務をする上では当然、上司や同僚とのコミュニケーションも大切にしないとスムーズに仕事ができないので、職場の人ともコミュニケーションが取れるかどうかをチェックされています。

面接官は、受験生の面接中の対話の仕方や内容、仕草に至るまで細かく見ており、あなたがコミュニケーション能力に長けている人かどうかを見定めています。

そのため、面接中の表情や会話の抑揚、テンション等も意識しながら、綿密な面接練習をしていくことがポイントとなります。

論理的思考力に長けている

論理的思考力とは、物事の因果関係を整理し、複雑なものもシンプルに捉えることのできるスキルです。
公務員における論理的思考力は、課題の解決の他、公務を効率よく進めていく上でも重要な力とされています。

また、面接ではさまざまな質問が投げかけられるので、それを瞬時に判断して回答することも論理的思考力が試されると言えると考えられます。

論理的思考力に長けている人は、質問に対する受け答えがきちんとできる人とも言えるので、面接官に好印象を与えることができます。

逆に、話が脱線しやすい人や、何を主張したいのか分からないような話し方は注意したい部分です。

行動力がある

公務員の仕事は、ただ言われたことをこなすだけでは不十分です。

指示されたことをきちんと遂行する力も必要ではありますが、それ以上に、主体性をもって自らの意思で行動できる人材を求めています。

公務員の仕事はルーティンワークという人もいますが、実際は直面している問題に対してどう動くかが重要になることも多いため、個人レベルでの行動力は必須です。

記憶に新しいところでは、能登半島地震などの災害や現在も直面している新型コロナウイルス感染症の課題など、前例のないケースも多々あります。

そういった意味では、例えば今までにボランティアに多く携わってきた人やリーダー経験のある人、直面した問題に対して解決策を講じた経験のある人などは、高く評価されやすいと言えるでしょう。

自分がこれまで経験してきたエピソードを整理し、面接でしっかりとアピールできるようにしておかなければなりません。

自分のビジョンが明確

自分のやりたいこと・将来のビジョンなど、実際に公務員になったときのことがしっかりと考えられている人は、面接官にとっても好印象です。

公務員のお給料は、皆さん知ってのとおり税金で賄われているので、ただ言われたことをこなすだけのいい加減な仕事をするような人は公務員には不向きでしょう。

自分のビジョンがはっきりしている人ほど、自分の仕事に対して真面目に取り組んでくれると思われやすいので、自分のやりたいことは具体的に言語化できるようにしておくことが重要です。

その際、「公務員でなくてもできること」をやりたいこととして掲げるのは逆効果なので、「公務員でないとできないこと」を具体的に話せるようにしてください。

まだ自分のやりたいことが定まっていない方は、後述する自己分析を行っていきましょう。

公務員試験の面接に落ちる人

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次に、公務員試験の面接に落ちる人の共通点はどんなものがあるのか紹介していきたいと思います。

当然、ここまで述べてきた受かる人の特徴に当てはまっていないことも理由になりますが、今回は別の視点で落ちる人の特徴を探っていきます。

身だしなみが整っていない

面接のときにまず目に入るのは、髪型や服装といった身だしなみの部分です。

特に気を付けたいのが、髪のボサボサ、スーツやシャツのしわ、カバンや靴の汚れなど。
こうした身だしなみがきちっとしていないと、面接官に一気に清潔感のない印象を与えてしまいます。

その後に良い内容を面接で話したとしても、第一印象の悪さで不合格になってしまうケースも十分にあるのです。

実際に面接官を担当したことのある方の話を伺ったことがありますが、第一印象のマイナスは非常に大きく、面接の内容と同等に重要であるとのことでした。

そのくらい身だしなみは重要ですので、スーツはクリーニングに出したものを、髪はしっかりセットする時間を設けて、足元まで万全で面接に向かいましょう。

表情や姿勢が悪い

先ほども述べたとおり、「印象」というのは面接の合否に大きく関わる重要なポイントです。
表情や姿勢というのも、人の印象を左右する大事な要素となります。

仮に身だしなみをしっかり整えていても、面接全体としての印象が悪ければ意味がなくなってしまいます。

特に気を付けたいのが、表情の強張り、声の暗さ、丸まった姿勢など。

こういったものに自覚のある方は、面接当日にいきなり変えることは難しいので、日頃から意識して口角を上げたり姿勢を正したりするように心がけてください。

面接官との対話ができない

面接では、面接官のする質問に対して、適切に端的に回答できるかどうかが重要です。

緊張のあまり、質問とは逸れた回答をしてしまったり、必要のないことまで話しすぎてしまう受験生はとても多いものです。

求められていることを端的に話す能力というのは、いわゆるコミュニケーション能力とはまた違った部分で、公務員に必要なスキルです。

面接官と上手く対話できていないと、住民の話に上手く耳を傾けられないのではないか、職場内のコミュニケーションにも問題が生じるのではないかと思われてしまうでしょう。

まずは話す内容よりも、しっかりとした受け答えをすることに重点を置いて練習していく必要があります。

信頼性がない

公務員の仕事は、あらゆる分野で税金が使われていることもあり信用が第一です。

面接で自分をよく見せようと思う気持ちは皆一緒ですが、ウソをついたり矛盾している話をしたりすると、一気に信用を失ってしまいます。

「ウソをついても証明のしようがないからバレないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、表情や仕草、その前後の受け答えなどにより、自分では気づかぬうちに”なんとなく疑わしい感じ”というのが出てしまう方は一定数います。

このように疑いが向けられるというだけでも、信頼できないと判断される材料に十分なり得ますので、面接では一貫性を持った会話に努め、基本はウソのないようにしましょう。

信用できないと判断された段階で、公務員試験の合格は難しいと考えてください。

志望動機が薄い

公務員という職業は安定性が高く福利厚生も充実しているため、待遇面で公務員になりたいと考える方も少なくありません。
しかし、志望動機としてこのことを挙げるのは当然不合格です。

待遇面で公務員を志すこと自体は悪いことではありませんが、しっかりと別の志望動機も持っている必要があります。
面接官は、公務員を志望する受験生を多く見てきていますので、志望動機の内容の濃さは適切に判断できます。

志望動機が薄いと本気度が伝わりませんので、しっかりと熱意のある志望動機を準備してください。

下記の記事では、志望動機の書き方と考え方について紹介しているので、まだ目を通していない人はぜひご覧ください。

自己PRが弱い

公務員のお給料は税金から支払われているので、時には国民や住民から非難を浴びることもあります。
そうならないためには、公務員一人ひとりが責任感を持って最善の仕事をしていく必要があります。

面接官はそういった最善の仕事ができる人材を求めているので、面接の中では、あなたが公務員としての働きがしっかりできる人材であることをアピールしなければなりません。

しかし、意欲があっても能力がなければ良い仕事はできませんし、優秀な人材とは思ってもらえません。

あなたの能力が組織でどのように活きるのかをしっかりと示すことができなければ、面接で良い評価を得ることは難しいでしょう。

不合格を避けるためにすべきこと

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以上の面接に落ちる人の特徴に当てはまってしまった人の中には、「合格できないんじゃないか」と不安になってしまった方もいるのではないでしょうか。

しかし、今そのことに気付けたのは大きな収穫ですから、不合格にならないためにできることを一つひとつやっていけば大丈夫です。

面接対策をすぐに開始する

面接に不安のある方は、今日からでも対策を始めていきましょう。
特に、人とのコミュニケーションに関する部分については、面接当日にどうにかなるものではありません。

面接での自分が苦手なことを改めて整理し、少しずつ改善していくためには、時間に余裕を持って対策していくことが重要です。

理想は3か月くらい前から徐々に始めることで、3か月もあれば、対話スキルも含めて改善が見込めると思います。

「筆記試験終了後から」と主張する方もいますが、多くの自治体で筆記から面接まで1か月くらいしか時間がない中で、一から対策を進めるのでは間に合いません。

試験によっては筆記試験で論文が課されるところもあり、やることは山積みですが、筆記と並行して着実にこなしていきましょう(筆記試験直前は、筆記対策に注力してください)。

また、面接対策は一人で行わないことも重要です。

面接対策に入りたてのときは、まずは受験先の自治体を調べたり、自分の持っているエピソードを整理したりするところからだと思うので、それは一人でも問題ありません。

しかし、実際に話す練習をする際には、所作や話す内容を自分以外の誰かに見てもらうことが必要です。
併せて評価もしてもらい、自分の改善点を客観的に見直すようにしましょう。

自己分析をする

自己分析の方法については、色々な方法がありますのでご自身でも色々探してみてください。

一つおすすめの方法として、例えば「自分の強み」について分析する際には下記のやり方です。

・自分の強みは一言で言うと何か
・その強みはどのようにして培ったのか
・その強みは行政でどのように活かすことができるのか

このように、1つのトピックに対して様々な角度から掘り下げていくと良いでしょう。

自己分析は不要だという意見も見かけますが、鵜吞みにしないようにしてください。

当たり障りのない質問であれば、自己分析も不要で行き当たりばったりの回答ができるかもしれませんが、公務員試験の面接官は、「なぜそう思ったのか」、「どのようにして解決したのか」など深く突っ込んだ質問をしてきます。

自己分析をしっかりと行っておかないと、このように深く突っ込まれた質問にうまく対応できなくなってしまいます。

自己PRができる、志望動機が話せるといった基本的なことはもちろんのこと、その後の質問まで考えた対策が必須です。

実践形式で対策する

面接当日はかなり緊張していることと思いますが、それは皆同じです。

「緊張のあまり上手く会話できなかった」なんてことのないように、実践を交えて面接慣れしておくことが必要です。

また、面接官に対して、聞かれたこと以外のことを話しすぎてしまうのは逆効果です。

自分をより良く見せたい気持ちは分かりますが、質問に対して的確に回答しないと、人の話を聞かない人、要点が掴めない人と思われてしまいます。

そうならないために、模擬面接を通して実践を積むことの他、その面接を録画して自分で見直すというのも非常に有効です。

下記の記事では、具体的な面接の練習方法について紹介しているので参考にしてください。

模範回答集を用意する

面接が得意な人でも、コミュニケーションに長けている人でも、想定外の質問には流石に焦ってしまうこともあると思います。

そのため、事前にしっかりと回答を用意しておくことが重要で、なるべく「初めて聞く質問」をなくす努力をしなければなりません。

しかし、回答を用意しているからといって、カンペを見ているかの如く話すことはやめましょう。

丸暗記してしまうと、それに対して再度質問が来たときに答えられなくなりますし、「この受験生は話すことを暗記しているな」という印象を与えてしまいます。

滑らかに回答することも大切ですが、多少つまずいてもしっかりと自分の言葉で話せる方が重要です。

あくまでも面接の主軸は、対話を見られているということを忘れないようにしてください。

模擬面接で評価を受ける

面接というのは、面接官に判断されるものなので、客観的な視点がとても重要です。
そのため、面接対策としては、ぜひ実践として模擬面接を取り入れていただきたいと思います。

第三者に面接官となってもらうことで、客観的な視点から改善点を掘り下げることができます。

特に面接においては、会話のボリュームや回答の整合性など自分では気付きにくい部分も多々あるので、面接官となる相手に評価をもらって改善をしてください。

「受かる人」になろう

今回は、公務員試験の面接対策の重要性について言及するとともに、受かる人・落ちる人の特徴についても紹介しました。

重要なのは、面接は「対話である」ということです。
面接官との会話のやり取りで合否が決まるので、質問の受け答え等対策を万全に行い、当日を迎えるようにしましょう。

冒頭でも紹介したとおり、公務員試験の面接は得点配分が大きくなっています。
時間が足りないなんてことにならないよう、早めに面接対策の時間を取るようにしましょう。