公務員試験の面接に合格するためには面接練習が欠かせませんが、本番で100%の力を出し切るためには「何のために練習するのか」を理解し、目的をしっかりと見据えて練習をする必要があります。
中には「面接練習は必要ない」という方もいますが、公務員試験は面接が非常に重視ですから気を抜いてはいけません。
そこで今回は、面接の具体的な練習方法と練習の効果を高めるコツについて紹介していきます。
晴れて試験に合格できるよう、しっかり練習をして挑みましょう。
面接の練習をする意味
面接練習の効果を最大限に引き出し、モチベーションを高めるためには、まず何のために練習をするのかについて考えなければなりません。
漠然と練習をしていても効果は薄いので、練習する意味をきちんと理解し、効果的な練習につなげていきましょう。
本番で緊張しないため
そもそも面接試験は非常に緊張するもので、それは民間企業の面接であれ、公務員試験の面接であれ同じことです。
面接で合格できるかできないかが決まる中で、緊張しない人の方が少数派でしょう。
緊張してしまうと、表情や体が強張ったり呂律がまわらなくなったりして、思っていることを正確に伝えることが難しくなります。
せっかく想定問答を準備していても話せなくては意味がないので、面接慣れをしておくためには事前に模擬面接等で練習しておくことが大切です。
一人で黙々と練習せずに、模擬面接の場数を踏むことを意識しましょう。
想定問答の精度を高めるため
面接練習をするときには、事前に想定問答などを作成した上で行う方が多いと思います。
こうした想定問答は、自分では完璧に作ることができたと思いがちです。
しかし、客観的に見ると改善すべき点がかなり見つかる場合がほとんどです。
模擬面接等で指摘を受け、それを改善し、再度模擬面接を受ける…
これを繰り返していくことで、ようやく自分にとって完成度の高い想定問答を作り上げることができるようになります。
あらかじめ作成した想定問答は完璧だとは思わずに、あらゆるシチュエーションの問答を用意しながら、第三者からの評価を受けて精度を高めていくことが重要です。
面接官に「伝わる話し方」を習得するため
面接において「伝えたいことを正しく伝えること」は非常に重要です。
緊張や面接官との相性により、うまく伝えられない、話がまとまらない、頭が真っ白になってしまうといった状況はよく見られます。
あなたの人柄やアピールポイントが優れていたとしても、こういった状態に陥ってしまえば良い評価を得ることは難しいでしょう。
だからこそ、自分の話し方や要点のまとめ方を客観的に見直し、面接官に「伝わる話し方」を身に付けていく必要があります。
話すことに自信がない方でも、回数を重ねれば少しずつ話せるようになっていきますから、たくさん練習して「伝わる話し方」を習得しましょう。
具体的な面接の練習方法4選
何のために面接の練習をするべきかご理解いただいたところで、次は具体的な面接の練習方法について紹介します。
すぐに実践できる5つの練習方法を紹介するので、ぜひ試してみてください。
声に出して練習をする
多くの受験生は面接の想定問答などを作成していると思いますが、こうしたものは目で読むだけでは効果が薄いです。
読んで暗記しようとするのではなく、実際に声に出して話してみることが非常に大切です。
文章を読むことと話すことは全くの別物で、実際に話してみると、内容が思い出せなかったり話がまとまらなかったりと、案外うまく話せないことに気づくと思います。
また、文章の仕上がりとしては良いものでも、声に出してみると堅苦しい表現になっていたり、前後の質問と齟齬が生じていたりする場合もあります。
声に出すことで「伝わる話し方」の練習になることはもちろん、想定問答の精度を高めることにもつながります。
ただし、この方法は自分一人でできるという手軽さはあるものの、第三者の評価がない点には注意しておかなければなりません。
話すことができるようになってきたら、後述する模擬面接等で第三者に見てもらう必要があります。
周囲の人と練習をする
面接練習において、ずっと一人で練習をするというのはあまり効果的ではありません。
話せるようになってきたら、周囲にいる身近な人に面接官役になってもらって練習をしてみてください。
ゼミ仲間や友人、家族など、どなたでも構いません。
なぜ周囲の人と練習をする必要があるのかといえば、自分では気付かないことを指摘してもらうことができるからです。
特に、話し方のくせ、ボリューム、話のまとめ方などは自分では気づきにくいポイントなので、自分以外の誰かに聞いてもらう、見てもらうというのは有効な方法と言えるでしょう。
また、誰かに見てもらう練習は一人で行う練習とは違い緊張感があるため、より真剣に取り組むことができますし、想定外の質問に即興で答えることもできるようになっていきます。
ただし、友人や家族などの近しい間柄の場合、面接官目線での具体的なアドバイスがもらえなかったり、慣れてくると緊張感がなくなってしまったりするといったデメリットもあります。
あくまでも一つの意見ととらえ、本格的な練習は予備校などで模擬面接を受け、公務員試験に精通した講師から評価をもらうようにしましょう。
模擬面接を受ける
受験生の中には公務員試験予備校に通っている人もいると思いますが、一般的にそういった予備校では模擬面接を受けることができます。
予備校で行われる模擬面接は本番の面接に近い形式であり、緊張感のある練習をすることが可能です。
また、一般的に、模擬面接の終わりには評価シートのようなものをもらうことができるため、公務員試験に詳しい講師からの客観的な評価を得ることでその後の面接対策に活かすことができます。
予備校に通っていない人は、大学のキャリアセンターや都道府県が主体となって設置している「ジョブカフェ」などを活用すると良いでしょう。
独学で公務員試験対策をしている人も、一度は本格的な模擬面接を経験しておくことをおすすめします。
ただし、予備校にせよそれ以外の施設にせよ、模擬面接官を担う人は公務員試験の面接対策のプロではないという点には注意が必要です。
例えば、予備校の場合は筆記科目担当の講師やアルバイトの人が担当することがあり、面接に精通しているとは限りません。
また、ジョブカフェのような誰でも利用できる施設は一般的な面接試験を念頭に置いているので、公務員試験に詳しくないことも多いのです。
必ずしも的確なアドバイスをもらえるとは限らないので、何回か模擬面接を受けて様々な面接官と練習したり複数の施設で模擬面接を受けたりして、幅広い視点から意見を得るように工夫しましょう。
民間企業の面接を受ける
本番の面接試験を体感するためには、模擬面接以外に、民間企業の採用試験で面接を受けるという方法もあります。
「面接」というカテゴリーだけで見れば民間企業も公務員試験も同じなので、面接慣れしたいという方にとっては有効な方法と言えるでしょう。
ただし、採用側の考え方や求める人物像などは“民間と公務員では本質的に異なる”という点には注意しなくてはなりません。
そもそも民間と公務員では仕事内容が大きく異なる場合が多いので、民間企業の面接がうまくいったとしても、そのまま公務員試験で問答が流用できるとは限りません。
そのため、民間企業を選ぶときには、なるべく公務員に性質が似ている仕事を選ぶと良いでしょう。
また、民間企業の対策に明け暮れていると、本命の公務員試験対策に充てる時間が減ってしまうため、民間企業での面接はあくまでも「面接馴れのため」と割り切って最低限の対策で挑むようにしましょう。
練習の効果を高めるコツ
具体的な面接練習の方法を紹介しましたが、冒頭でお伝えしたとおり、ただ漫然と面接練習を行っていても高い効果は得られません。
以下に紹介する3つのコツを意識して、面接練習の効果を最大限に引き出せるようにしていきましょう。
面接練習を録画・録音する
面接練習をするときには、その様子を録画・録音しておくのがおすすめです。
後から自分の姿や声を見直すことで、自分が面接官からどのように見えているのかを客観視することができるからです。
特に、表情や所作、話し方など、本人が普段無意識にしている行動は、人から指摘されてもピンとこない場合が多いです。
自分で実際に様子を確認することで、どう修正したら良いのかをイメージしやすくすることができます。
また、録音は必須ではありませんがやっておくと便利です。
例えば、通勤・通学の合間や寝る前などの空いた時間に聞き返すことができるので、録画と同時に録音もしておくことをおすすめします。
録画・録音をするときには、なるべく第三者と練習している様子を撮るようにしましょう。
常に改善する
面接練習をするときには、ぼんやりと適当にやっていては意味がありません。
自分が“面接の場面で何が苦手なのか”を正確に把握し、それを修正していかなければなりません。
例えば、早口、説明が長い、志望動機が弱いなど、面接において重要な部分を指摘をされてもそのままにしていては合格は難しいでしょう。
人それぞれ改善点は異なりますが、自分は何が課題なのか、どうすれば改善できるのか、常に考えながら練習を積んでいくことで確実にブラッシュアップされていきます。
第三者の意見を取り入れながら、質の高い練習を行うように意識しましょう。
常に本番を意識する
面接練習は、数をこなすと慣れが出てくるようになります。
特に一人で練習をしていると単調な練習になりがちなので、第三者を交えた練習を積極的に行うようにしてください。
誰との練習であっても「常に本番である」という意識を持って練習に取り組むことで、面接の受け答えに磨きがかかり、合格確率がぐんと高まっていきます。
また、模擬面接の場合には、本番と同じようにスーツを着用して練習をするのもおすすめです。
特に学生の場合はスーツを着慣れていないと思うので、本番は面接だけに集中できる環境をつくるという意味でも有効な方法と言えます。
コツを意識して練習を重ねよう
具体的な面接練習の方法と練習の効果を高めるコツについて紹介しましたが、最終的な目標は面接試験に合格することです。
面接練習は、面接におけるコミュニケーション能力を高め、本番でも物おじせずに100%の力を発揮することが目的です。
実は、予備校に通っている人でも公務員試験の面接対策は不十分になることが多いです。
きちんと対策・準備し、どのような質問がきてもスムーズに答えられるようになれば、合格は目前です。
ぜひ今回紹介した方法を実践し、合格に向けて頑張ってください。